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2018
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2017
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茶室「仰松軒」学術調査(3DLS)

目的

茶室「仰松軒」学術調査(3DLS)

活動内容

仰松軒_細川三斎作の学術調査(3Dレーザースキャナー仕様)を実施しました。

仰松軒_細川三斎作の学術調査(3Dレーザースキャナー仕様)を実施しました。

細川三斎は、利休七哲の一人。
1591年、時の権力者秀吉の勘気に触れ、京を追放され堺に蟄居することになった千利休を淀の船着き場で見送ったのは、古田織部と細川三斎の2人だけだったと言います。

この仰松軒は、京都嵐山の天龍寺塔頭真乗庵にあった細川三斎好みの茶室を、その起し絵図に基づき大正11年(1922)にこの地に再建したとの記録があります。2022年修復工事を完了とありますが、屋根の茅、障子等の劣化破損が見られます。

現在の茶室は、鎖の間が増設されて、今日の茶事に沿うような空間構成となっています。
仰松軒の平面は四畳台目ですが、一畳台目の手前座と三畳の客間が折れ曲がる独特の間取りをしています。躙口ではなく貴人口近くには、袖壁に刀掛けがあり、塵穴があります。このような塵穴(茶事の際、中に露地内などに咲いている花などを、目立たぬように入れたりして、客に対しての心配りを演出する手段)は初めて見ることができました。

利休の茶室のような、刹那的な空間ではないが、開口部も多く、非常に心地良い空間であった。純粋な調査ではなく、のんびりと訪れたい空間だ。

この茶室を見るとやはり利休一人、孤高の茶人であったことが偲ばれます。
利休の死後、七哲たちは自由で開放的な空間構成へ向かいます。この後、武士や貴族好みの茶室へと変貌していくのがわかる空間構成と言えます。