活動・取り組み

Activities / initiatives

研究室から、愛を込めて!
地域のために、全⼒で取り組みます。

2018
© puk-loveratory
2017
© puk-loveratory

R3【藻取〜MOTTO〜】ミーティングを行いました

目的

下水処理場の最終沈殿池における藻類の増殖を抑制するための技術確立

活動内容

下水処理場の最終沈殿池で発生する藻類の繁殖状況を確認し、適応可能な藻類の繁殖防止技術を調査および大学内研究室において検証を行う。評価結果から、実際に用いる繁殖防止技術を選定し、実証実験を行う。評価は、藻類の付着状況の観察と水質の変化により行う。

令和3年8月2日(月) 研究概要と第1回目打ち合わせの報告

初めまして!私たちは下水処理施設における最終沈殿池の藻類付着防止について研究しています。

初回となる今回は、研究の概要と先日行われた第1回目の打ち合わせについて報告させていただきます。

 

研究概要

下水処理は様々なプロセスを経て行われます。詳しくはこちらを参照してください。

中でも最終沈殿池では藻類が繁殖しやすい状況にあり、繁殖した藻類は、腐敗して悪臭を放ったり、ユスリカが発生する問題があります。そのため藻類の除去は現場において重要な作業であり、私たちの研究では藻類付着を防止する手法の確立を目的としています。

 

第1回目打ち合わせ

協力していただく株式会社セーブクリーンの担当者様と現状の課題や今後の方針について話し合いました。

 

課題としては、

・週に1度の掃除をしているがすぐに繁殖し、藻が付着する

・季節によって差はあるものの年中繁殖する

・殺菌作用のある銅製の沈澱槽では藻が付着しにくい代わりに黒いヘドロのようなものが発生する

といった以上の意見をお聞きしました。

 

 

こちらからは解決の手法として2つの手法を提案しました。

1つ目は、ソメライトSLを用いる手法です。これは亜熱帯沖縄の海底から取れる、サンゴの粒や有孔虫からなる砂に銀をコーティングしたものです。サンゴの持つ浄化作用と銀の殺菌効果により、藻類の発生を抑制する効果が期待できます。ソメライトの詳しい情報はこちら

 

2つ目は、EBB(エコバイオ・ブロック)という納豆菌を閉じ込めた多孔質ブロックを用いる手法です。納豆菌は水の汚れである有機物やアンモニアを分解する能力を持ち、加えてDNA解析の進んだ安全な微生物であるため環境に優しいことも特徴の一つです。これまで、河川や湖沼等の閉鎖水域で水質改善の報告が上がっています。参考となる資料はこちらより見ることができます。

 

討議の結果、提案した2つの方法について学内実験を行うことになりました。ソメライトを用いた方法について、最終沈殿池の汚泥の一部を一つ前の処理槽に返送するため、高濃度の銀が残留した場合下水処理全体に影響を与える恐れがあるという意見をいただきました。処理槽では活性汚泥と呼ばれる好気性微生物群を含んだ汚泥の働きで下水の処理を行いますが、返送汚泥に殺菌効果のある銀が含まれていると活性汚泥の働きを失う恐れがあるためです。これを踏まえて、ソメライトの研究については銀の残留についても調査していきたいと考えています。

 

今後の方針

・採水、サンプリングを行う

・水槽を用いた学内実験で2つの手法について検討する