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トモショク(共食)は有限。食べることは生きること~食育・健康フェスティバル2021~

 健康と食育に係る人材育成拠点である本学の取り組みや成果を学内外へ向けて発信することを目的として、令和3年(2021年)12月21日から、オンラインにて「トモショク(共食)は有限。食べることは生きること~食育・健康フェスティバル2021~」を実施しました。

【内容】
(1) 食育推進室長挨拶
熊本県立大学 環境共生学部食育推進室室長 松崎弘美

(2) 講演「トモショク(共食)は有限。食べることは生きること」
株式会社ビストロパパ代表取締役滝村雅晴氏(農林水産省食育推進会議専門委員、大正大学客員教授)

パパ料理研究家滝村雅晴1_1 _1

(3) 熊本県立大学の食育推進活動紹介
熊本県立大学環境共生学部食育推進室特任講師中村早百合

 オンラインでの公開講演会だったため、本学関係者以外の方に多く受講していただくことができました。講師の体験談をベースにした内容の講演は幅広い世代の共感や理解をいただけました。講演を受けた方々より多くの感想や質問をいただきました。感想と質問のご紹介をいたします。

【感想】
・料理だけでなく、家族や地域を含めた広い視点で捉えた内容がとても興味深かったです。動画を拝見するまでは、「パパ」を強調している点や「共食は有限」というキーワードが気になっていたのですが、動画を最後まで視聴して深く納得しました。
 元々料理をしたことがなく外食三昧だった滝村さんの経験談をベースにした話は説得力がありました。
 この講座はぜひとも料理が好きな人だけでなく、料理に興味が無い・料理をしたいと思ったことが無い人にこそ見て欲しいと思いました。意識革命が凄まじいと思います。
・話の内容だけでなく、「伝え方」がとても素晴らしくて、1 時間見ていて全く飽きませんでした。
調理もお話もライブ感があって、「(調理過程が)これからどうなるんだろう?」「これからどんな話をするんだろう?」と目の前で聞いているような感覚になりました。

・料理のオンライン講座は、対面と違って体感できないので理解が難しいかと思ったのですが、料理だけでなく、食を含めた生き方や意識について提示してあったのでいい意味で予想を裏切られました。伝え方も含めとても勉強になりました。素敵なお時間ありがとうございました。

・まったく違う分野から食への参入であり、説得力が非常に強い。
何をおいても、基本は食であることを再認識できた。素晴らしかった。

・男の料理とパパ料理の違いや家族のために料理を作るうえでの基本が女性が日頃思っていても伝えられていない内容がまとまっており、とてもわかり易かったです。多くの男性に観てほしいと感じました。ビストロパパやファザーリング・ジャパンについて初めて知りました。

・最近になって男性も家事や育児をすることが普通となりつつあります。
私の母親が私を子育てしている時代は、会社の人から「生まれたばかりなのに仕事して子供がかわいそう」だと言われたことがあると以前聞いたことがあります。なので、今回の講義で、男性が料理を教える立場にたっていることを知って、もっと広がっていけばいいなと感じました。
ご年配の方々には理解しがたいと思いますが、男性女性関係なく、遠慮・我慢しすぎることなくお互いが心地よく生活できるような社会になればいいなと思います。

【質問と滝村雅晴氏の回答】

<質問1>
人に「伝える」「広げる」ことは重要なことですが、難しいといつも実感しています。滝村先生の動画はその点も含めて素晴らしいと感激したのですが、人に「伝える」時に工夫していることや信条などありましたら教えていただけますでしょうか。

<回答1>
何かを人に伝えていくときには2つの力(ちから)が必要です。
①思う力②伝える力です。
うまく伝わらないのは、伝え方が上手ではなく伝えたい内容の整理ができていないか、「本当に伝えたい」という思いがまだ弱いのかもしれません。
私は「家族で食卓を囲む回数は有限」だから、「1回でも多く家族で楽しくごはんを食べてほしい。」と心から思っています。思う力・伝えたい思いがとても強いのです。
そして、②伝える力。これは私が前職、デジタルハリウッド株式会社の設立時から学校広報を生業に14年勤めてきました。その結果広報(伝えるプロ)力を身に着けたのです。仕事でいうと広告代理店や、コピーライターさんなど伝える仕事のプロがいらっしゃるようにノウハウがあります。いかに分かりやすく多くのことを語らず、まず1メッセージで伝えることなどです。
そして一番大事なのは①②を何度も何度も繰り返すことです。
思って、伝えて、思って、伝えて。身近な人含め、自分の思いを伝え続けることで、次第に相手に伝わるようになると私は思っています。応援しています。

<質問2>
オンライン料理塾へ参加するきっかけはどういった事が多いでしょうか。男性が料理を作ってみたいと思っても、実際行動に移すまでがハードルが高いと感じている方が多いように思います。
また、新規と継続参加の割合はどの程度でしょうか。内容としては初心者でも参加できる内容でしょうか。

<回答2>
オンラインの料理塾の参加きっかけは、もともと私がこの13年活動してきた時に出来上がったパパネットワーク( NPO法人ファザーリング・ジャパンが中心)がベースです。
コロナ前は、リアルなパパの料理塾を行っておりそれがオンラインに移行しました。
だから、もともと私を取り囲むコミュニティーが先にありその人たちが参加しています。
パパ集客の方法としては、ゼロから集めるのはハードルが高く、もともとあるコミュニティーをベースに集客するのが一番です。
特に、講師との面識があるほど参加しやすく、また参加したくてもオンライン料理教室がどんなものかわからないので、待つのではなく一声かけると皆さんかなりの確率で参加していただけるケースが多いです。
参加者の割合は、現在はリピーターが中心です。
新規の方も、何らかのつながりができて、声をかけて参加されています。
あとは、参加者が知人に紹介して参加する方や定年退職された父親が参加されている親子参加もあります。
ママコミュニティーからの参加も多数でシングルファザー・マザーの参加、学生の参加もあり多様な人たちが参加されています。
基本的に、すべて初心者の方が参加できる内容です。