R3【ISHIBASHIプラスチック】ワークショップを行いました!
- アンケート調査
- ワークショップ
- 地域連携型学生研究(旧「学生GP」)
- 実証調査
- 実験・分析
- 文献調査
- 環境調査
- 課題調査
- 熊本市
目的
プラスチック資源循環を推進するための市民意識の変革について
活動内容
学生グループと自治体が協力し、プラスチックと共存するために必要な情報の市民との共有について検討する
令和3年12月15日(水)「ワークショップを行いました!」
今回、本学にて行ったプラスチックに関するワークショップについて報告します。
ワークショップの目的は、学生が思うゴミ分別や回収等についての意見を聞くこと。プラスチックについて関心を持ってもらい、プラスチックゴミ削減及び正しい分別に主体的な参加をするきっかけを作ることとしました。
そこで、ワークショップ前後にアンケートを実施し、学生の意識がどのように変化したかを調査します。
本ワークショップは、
本学学生12名(本研究室学生2名含む)・熊本市職員2名及び本学教員1名により行い、
①プラスチック廃棄物に関する情報提供(熊本市廃棄物計画課)
②各議題についてグループワーク
③各グループの意見発表
④熊本市廃棄物計画課からの講評
というプログラムで行いました。
①では、熊本市廃棄物計画課の職員様より熊本市におけるゴミ分別の現状及び熊本市公式ラインやゴミ分別アプリ等のご説明をしていただきました。
②では、
1)熊本市のプラスチック類の分別及び処理方法の課題
2)製品プラスチックの分別開始に関する課題
3)プラスチック廃棄物減量化のために自分たちでできること
についてグループワークを行いました。
ポストイットに意見を書き出し、模造紙に各意見をまとめていきました。
③では、
各グループで出た意見をまとめてもらい、共有しました。
今現在困っていることや今後の課題・対策について各グループから様々な意見が出ました。
ワークショップ前のアンケートでは、プラスチックの分別・回収についてきちんと理解できていなかったという学生も理解が深まったと言っていただきました。
また、「自分から率先してゴミ出しをしてみようと思う」「ゴミについて考える契機となった」「他者の考えについて知れてよかった」などのお言葉もいただきました。
以上のことから、本ワークショップで設定した目的について達成できたのではないかと考え、プラスチック及びゴミについて考える機会になっていると嬉しいです!
改めて、ご参加いただいた皆さまありがとうございました!
令和3年11月24日(水)ワークショップについて打ち合わせを行いました。
前回紹介したアンケートの結果をもとに、熊本市に住む本学学生に対して熊本市職員と共同でワークシップを行うことを予定しています。
実施に先立ち、熊本市職員の方と打ち合わせを行いました。
ワークショップの概要、流れなどについて情報を共有しました。
実際に呼びかけを行い、作成したチラシはこちらです。
ワークショップの前後にはアンケートを実施し、プラスチックに関する意識の変化について調査していく予定です。
〜今後の予定〜
・ワークショップ(12月15日)
・エコポート九州LCA評価(未定)
令和3年11月12日:アンケート調査結果について
先日のアンケートにご協力いただいた市民の皆様、ありがとうございました。
今回は、アンケート結果について報告いたします。
③〜⑥については、以前実施しました学内アンケートの結果も表示しています。
(アンケートの概要については、一つ前の記事をご覧ください)
①回答者の属性
回答者のほとんどが40代〜60代でした。また、どの年代も半数以上が家族と同居している人がほとんどでした。
②「プラスチック製容器包装(以下容リプラ)のマークを確認して捨てるか」について
年代が高くなるにつれて、「必ず確認している」と回答した人の割合が高くなっています。「全く確認せず捨てている」という回答した人は、ほとんどいませんでした。
③「容リプラを洗浄して捨てなければならないと認知していたか、洗浄して捨てているか」について
回答した熊本市民の94%が認知・洗浄ともに◯と答えていました。また、学生と比較すると熊本市民の意識がより高いことがわかります。
④「容リプラの分別について困っていること」について
「洗浄など捨てる際に手間がかかる」や「どのくらい細かく分別すべきかわからない」と回答した人が多い結果となりました。その他の意見として、「汚れのひどいものを燃やすゴミに捨てる罪悪感がある」と答えた人もおり、同じように感じている人が多数いました。
⑤「容リプラの回収について困っていること」について
回答者のほとんどが「現在の回収に不満はない」と回答していました。しかし、「回収頻度を増やしてほしい」や「分別後のリサイクルについて知りたい」などの意見も寄せられました。
家族と同居している人はゴミの量が増えることや、分別することでリサイクルに貢献できている認識を持ってもらうことが分別協力につながることがわかりました。
⑥「プラスチックゴミ削減に取り組んでいること」について
「レジ袋を貰わない」が最も多い結果となりました。これは、昨年一部義務化された「レジ袋有料化」による効果だと考えます。私自身も有料化によって、レジ袋の使用を躊躇するようになったため、消費者の発生抑制という点では有料化は効果的なのかもしれません。
ただし、有料化されていないスプーンなどについては、自ら貰わないという選択をするのが難しい現状があるのではないかとも考えられます。
以上の結果から、回答した熊本市民は比較的プラスチックに対する意識が高い人が多いという結果となりました。
しかし、これは元々意識の高い市民が回答していた可能性が考えられ、より幅広い層への調査が必要であるという課題もありました。
さまざまな意見をくださった熊本市民の皆様、改めてありがとうございました。
これらのアンケート結果をもとに、本学学生と熊本市職員の方と共同でワークショップを行いたいと思います。
〜今後の予定〜
・ワークショップ(12月)
・エコポート九州LCA評価(12月)
令和3年10月11日: 熊本市市民向けアンケート調査を行います!
本研究は、熊本市廃棄物計画課と連携し「プラスチック資源循環を推進するための市民意識の変革について」をテーマに研究を行なっています。
〜研究の背景〜
現在、プラスチックは大量生産・大量消費により、様々な問題を引き起こしています。
そのため、プラスチックを削減し適切にリサイクルすることで資源循環の実現が求められています。
生産者だけでなく、消費者・排出者の協力や意識改革が必要だと考えられます。
そこで、研究の一環として熊本市市民の皆様の意識調査を行うため、
プラスチックに関するアンケートを実施します。
ご協力いただける方は、回答お願いいたします。
現在までの取り組みは下記の記事から確認できますので、合わせてご覧ください。
設問は約20問で、回答時間は約5分です。
なお、個人名が特定されることはなく、ご回答いただいた内容は、本研究以外では利用いたしません。
回答期間:10月11日〜10月25日
回答URL:https://forms.gle/7XujCXcT5bQSr61NA
こちらのQRコードからも回答可能です!
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
〈アンケートに関する問い合わせ先〉
熊本県立大学 環境共生学部 環境資源学科 資源循環化学研究室
電話番号:096-321-6713
メールアドレス:g1841012@pu-kumamoto.ac.jp
または、地域ラブラトリーのお問い合わせまで
令和3年10月4日(月): エコポート九州へ視察しました!
熊本市のプラスチック製容器包装のリサイクル処理を行なっている、エコポート九州へお伺いしました。
エコポート九州では、プラスチックに関連する事業として
プラスチック中間処理、マテリアルリサイクル、RPF製造の三つの事業が行われています。
現在、熊本市は以下のような流れでリサイクルを行っており、
エコポート九州には熊本市から排出されるプラスチック製容器包装(約5000t)の約半分(約2500t)が運ばれています。
このような事業を行っているのは、九州でエコポート九州だけだそうです。
エコポート九州のホームページはこちら
実際にリサイクルが行われている現場の現状把握、今後の課題等の検討を目的に視察を行いました!
工場内の様子をいくつか写真とともに紹介します。
〈一次選別棟〉
ここでは、袋に入ったプラスチック製容器包装を袋から出し、プラスチック製容器包装でないものと選別しています。
プラスチック製容器包装を入れて回収する袋は、製品プラスチックに分類されるため選別する必要があります。
素材としてはリサイクルするのに適しているそうですが、法律上プラスチック製容器包装には含まないため、ここではリサイクルが行われません。
機械で大まかに選別した後、手作業で選別を行います。
以下のような仕組みで、選別を行うことができます。
選別を行う理由としては、リサイクル効率を上げるため、危険物などを除去し機械の故障・事故を防ぐためなどです。
最終的にベール化(圧縮梱包)されたプラスチック製容器包装です。
これは、一つ200kgほどあるそうです!
〈マテリアルリサイクル〉
ここでは、ベール化したプラスチック製容器包装を再び細かく選別し、再商品化します。
プラスチックは素材ごとに用途が異なり、それぞれ特性を持っています。
再商品化する際も、用途に合わせて行うことが重要だそうです。
そのため、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなど細かく選別を行っています。
実際に再商品化されたものは、減容化といって、粒状や柱状になったものや、黒っぽい樹脂(ペレット)になったりします。
これらは、加工されハンガーや再生容器に用いられています!
〈RPF化製造〉
ここでは、マテリアルリサイクルで利用できなかった廃プラスチックを固形燃料として製造を行っています。
プラスチックの原料は石油であるため、燃料源として利用することが可能です!
一度はリサイクルされなかったプラスチック製容器包装も、違う手法でリサイクルされていることがわかります。
エコポート九州のリサイクル率が99.9%を達成している理由の一つともいえます。
実際に固形燃料となったものが、こちらです。
年間1300t〜1400tほど製造しているそうです。
質疑応答では、
・一次選別の段階で、約9%がプラスチック製容器包装以外のものが混入していること
・容器包装リサイクル法の法改正が行われることで、リサイクルの手法を検討し直す必要があること
・法改正によって、より市民の皆様の選別協力が必要になる可能性があること
・市民の皆様の協力で、より安くリサイクル事業を行うことができること
・汚れの付着したプラスチック製容器包装が混入していることで、工場で使用する機械に汚れが付着してしまうこと
など様々な意見をお聞きすることができました。
今後の研究に活かすことができる、有意義な時間となりました!
今回、見学のご協力をしていただいたエコポート九州様、ありがとうございました!
〜今後の活動計画〜
・学内アンケートまとめ(10月下旬)
・熊本市アンケート実施(10月中旬)
・エコポート九州のLCA検討(10月下旬〜)
令和3年9月22日(水): 第二回ミーティングを行いました。
熊本市廃棄物計画課からお越しいただいた一名の担当者様と第2回ミーティングを行いました。
今回は、アンケートの実施方法・ワークショップ・LCAの活用方法について共有しました。
アンケートの実施方法に関しては、Googleフォームを活用した回収方法となりました。
ワークショップに関しては、学内で行ったアンケート調査をもとに、学内でもワークショップを開催する予定です。
LCAの活用方法については、熊本市のプラスチック製容器包装のリサイクル事業を担う「エコポート九州」で行う事業について評価を行い、
熊本市に提言するという方針となりました。
また、熊本市廃棄物計画課様の全面協力のもと、
作成したアンケートは熊本市ホームページにURLを掲載していただき、
回答できるようになるので、アンケートの調査日程が決まり次第、地域ラブラトリーの記事内でも紹介します!
アンケートの調査は10月中には行う予定です!ぜひご協力お願いします!
↓ ↓ ↓ 熊本市ホームページ (熊本市の環境) ↓ ↓ ↓
https://www.city.kumamoto.jp/kankyo/
〜熊本市お役立ち情報〜
熊本市公式LINEでは、捨てたいものをメッセージで送ると
どの日にどのようにしてそのゴミを捨てれば良いのか教えてくれます!
ゴミの情報以外にも、新型コロナウイルスの情報なども随時更新されるので、
ゴミ分別に困っている方、手軽に利用したい方におすすめです!
是非、友達追加してみてください!
〜今後の活動計画〜
・エコポート九州視察(10月上旬)
・学内アンケート実施(10月上旬)
・熊本市アンケート実施(10月中)
令和3年7月8日(木): 熊本市役所廃棄物計画課の皆様とミーティングを行いました。
熊本市役所廃棄物計画課からお越しいただいた二名の担当者様と
熊本市のゴミ分別の状況、今後の課題、方針などを共有しました。
討議の中で、
「ゴミの分別に対する市民の意見として、ゴミの分別の仕方が分からない方が多い」
ということが挙げられ、当グループもその意見に共感しました。
それによってポイ捨てや違反ゴミの増加につながっているのではないか
という熊本市全体の課題も挙げられました。
当グループで研究を進める熊本市におけるプラスチックの分別については
前回の記事で紹介したビニール袋、ボトル容器、パックやトレイ容器などの
「プラスチック製容器包装」(プラマークがあるもの)のみプラスチック製容器包装の日に出すことができます。
プラスチック製のものでも汚れているもの、プラマークがないプラスチック製の商品(おもちゃ、ハンガーなど)は、
燃やすゴミに出さなければいけないというルールがあります。
現状、燃やすゴミのなかに3割ほどリサイクルできるものが入っていたり、
プラスチックゴミの中に燃えるゴミに出すべきものが入っていたりするそうです。
これらを改善するためには、市民の協力や意識の向上、
プラスチックゴミ分別の正しい知識が必要であると考えられます。
この記事を読んでいる方で、同様の意見をお持ちの方は以下のURLから
熊本市のゴミ分別の方法を今一度確認してみてください!
「熊本市 家庭ごみの出し方についてのご案内」
ごみ分別辞典では、キーワードを入力すれば、
そのごみをどのように分別して捨てればいいのかが分かり、非常に便利です!
「熊本市ごみ分別アプリ」
https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=21847
こちらは、スマホにアプリをダウンロードでき、毎日のごみ出しに活用できます!
多言語対応なので、多くの方に利用していただけます。
〜今後の活動計画〜
・プラスチックゴミを処理・資源化している「エコポート九州」への視察予定
・現地調査(江津湖予定)
・アンケート調査項目の作成
令和3年6月22日(火): 先行研究として、以下の論文を紹介します。
新型コロナ感染症対策としてまん延防止措置が熊本市でとられていることで、
熊本市との協議が行うことができていないため、先行研究の調査を行っています。
今回は以下の論文を一部紹介します。
「東京23区における不統一なプラスチック製容器包装の分別収集」
↓ ↓ ↓ 論文はこちらをご覧ください ↓ ↓ ↓
(pdfのURLを再度クリックすると論文が表示されます。)
http://doi.org/10.15002/00014460
調査結果を紹介する前に、
みなさんは、プラスチック製容器包装とは何かご存知ですか?
プラスチック製容器包装とは
ビニール袋、お菓子などの袋、シャンプーなどの容器、ペットボトルのキャップなど
プラスチック素材でできた容器や包装のことです。
ガラス瓶やペットボトル、紙製品などを含めた容器包装については、このような法律もあります
「容器包装リサイクル法」(通称:容リ法)
ご存知でない方も多いと思います!
基本理念は、「全ての人がそれぞれの立場でリサイクルの役割を担う」とされており、
家庭から出るゴミの約6割(容積比)と言われている容器包装を資源として有効活用することで
ゴミの減量化を図る法律となっています。
容リ法について詳しくは、日本容器包装リサイクル協会のホームページをご覧ください。
https://www.jcpra.or.jp/consumer/what/tabid/172/index.php
本研究の対象となるプラスチック製容器包装は、ガラス瓶やペットボトル、
紙類などを含む容器包装の約半分(容積比)を占めています。
つまり、プラスチック製容器包装を正しい方法でリサイクル出来れば、
ゴミの量がより削減できるということになります!
本研究と関連する調査結果として、
・東京23区において分別収集の実施区はゴミやCO2の排出削減を進めていましたが、
未実施区はゴミ排出削減の取り組みに遅れを取っていたこと
・ゴミ量の削減、CO2排出削減の取り組みを進めるためには、
未実施区が分別収集に取り組むような動機付けが必要であること
が示されていました。
この先行研究を参考に、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から
今後の熊本市との協議を進めていきたいと考えています。
LCA(ライフサイクルアセスメント)とは?は今後の記事で紹介します!